FROM03  粒子源  8月10日 特別会議室2 9:20 - 9:40
compact-ERL DC電子銃の500 kV長期安定運転
Long-term stable operation of a 500 kV DC electron gun at compact-ERL
 
○山本 将博(高エネ研),西森 信行(量研機構),宮島 司,本田 洋介(高エネ研),羽島 良一(量研機構)
○Masahiro Yamamoto (KEK), Nobuyuki Nishimori (QST), Tsukasa Miyajima, Yosuke Honda (KEK), Ryoichi Hajima (QST)
 
KEKにて次世代放射光源加速器として開発が進められてきたcompact-ERL(cERL)は2016年に方針が変わり、その後産業利用応用としての加速器の研究開発が進められてきたが、電子銃の低エミッタンスビームの長期的な安定供給は変わらず最重要項目の一つとなっている。cERLの運転時間は非常に限られた状況ではあったが、2018年3月のcERL運転および2017年6月~2018年3月の間に10日間実施した超伝導空洞未冷却状態での電子銃単独運転において累計153時間以上の間、一度も放電を起こすことなく加速電圧500 kVを維持し続けることに成功した。加速電圧500 kV状態での光陰極周囲から発生する電界放出暗電流は5 pA相当であり、十分低く抑えられている。2016年以降の高電圧コンディショニングおよび電子銃の運転の経験から高電圧運転中も非常にゆっくりとしたコンディショニング効果が得られていることから2018年6月に予定されているcERL運転で無放電継続時間はさらに延びるものと推測している。500kV状態で電子銃の放電は起きなくなった一方で、他の要因によりインターロックが働き高電圧を落とす事象・問題が発生している。本学会では500kVを長期安定に運転できるようになった背景および現状の問題について報告する。