FROL14  ハドロン加速器2  8月10日 特別会議室1 15:50 - 16:10
負ミューオニウムを用いたミューオンRF加速実証試験
Demonstration of the muon RF acceleration with the negative muonium
 
○大谷 将士(高エネ研),北村 遼(東大),深尾 祥紀,二ツ川 健太,河村 成肇,三部 勉,三宅 康博,山崎 高幸(高エネ研),近藤 恭弘,長谷川 和男,森下 卓俊(原研),Bae Sunghan,Choi Seonho,Kim Bongho(SNU),Razuvaev Gosha(BINP SB RAS, Novosibirsk State Univ., Pulkovo Observatory),飯沼 裕美,中沢 雄河(茨城大),石田 勝彦(理研),齊藤 直人(J-PARCセンター),飯島 徹,須江 祐貴(名大)
○Masashi Otani (KEK), Ryo Kitamura (Univ. of Tokyo), Yoshinori Fukao, Kenta Futatsukawa, Naritoshi Kawamura, Tsutomu Mibe, Yasuhiro Miyake, Takayuki Yamazaki (KEK), Yasuhiro Kondo, Kazuo Hasegawa, Takatoshi Morishita (JAEA), Sunghan Bae, Seonho Choi, Bongho Kim (SNU), Gosha Razuvaev (BINP SB RAS, Novosibirsk State Univ., Pulkovo Observatory), Hiromi Iinuma, Yuuga Nakazawa (Ibaraki Univ.), Katsuhiko Ishida (RIKEN), Naohito Saito (J-PARC center), Toru Iijima, Yuuki Sue (Nagoya Univ.)
 
J-PARCで計画されているミューオンg-2/EDM精密測定実験では、横方向運動量分散と縦方向運動量の比が10^-5以下の極冷ミューオンビームを用いることで、先行実験とは異なる手法により高精度な測定を実現する。 この極冷ミューオンは、陽子ビームから生成した4 MeVの表面ミューオンを25 meVの超低速ミューオンにまで冷却した後、線形加速器で212 MeVまで再加速することで得られる。 ミューオン線形加速器の実現に向けて、RFQを用いたミューオンRF 加速の実証試験を行った。超低速ミューオンの生成にはイオン解離レーザーなど大型設備を要するため、加速実証実験では簡易的な冷却手法として、ミューオンをアルミ薄膜標的に照射することで負ミューオニウム(Mu-、µ+e-e-)へと変換して2 keV以下にまで冷却した。生成したMu-はRFQの入射エネルギー5.6 keVまで静電加速された後、RFQで最終的に90 keV までRF加速される。 加速されたMu-は偏向電磁石で運動量と極性を選別し、さらにMCPを用いたTOF 測定により粒子同定した。 本公演では世界初となるミューオンRF加速実証試験の結果について、予備実験として実施した負ミューオニウム生成実験の成果も交えて報告する。