FROL06  光源加速器  8月10日 特別会議室1 10:20 - 10:40
交叉型アンジュレータからのTHz域コヒーレント放射の偏光特性
Characteristics of polarized coherent radiation in THz region from a crossed undulator
 
○齊藤 寛峻,柏木 茂,日出 富士雄,三浦 禎雄,武藤 俊哉,南部 健一,髙橋 健,長澤 育郎,鹿又 健,二宮 慎吾,濱 広幸(東北大学電子光理学研究センター)
○Hirotoshi Saito, Shigeru Kashiwagi, Fujio Hinode, Sadao Miura, Toshiya Muto, Kenichi Nanbu, Ken Takahashi, Ikuro Nagasawa, Ken Kanomata, Shingo Ninomiya, Hiroyuki Hama (Research Center for Electron Photon Science, Tohoku University)
 
東北大学電子光理学研究センターでは加速器ベースの偏光可変コヒーレントテラヘルツ光源の研究として、交叉型アンジュレータを用いた放射光源の研究開発を行っている。交叉型アンジュレータは2台の直交する平面アンジュレータと光学移相器で構成される。バンチ長が放射波長よりも十分短い極短電子ビームを通過させて互いに直交するコヒーレントな直線偏光放射を生成し、光学移相器により位相差を調整して重ね合わせることにより任意の偏光状態を発生させる。光学移相器は第一の放射の遅延光路と電子ビームのバイパス経路で構成され、光路長の調整により2つの放射の位相差調整を行う。本光源からの放射特性を評価するため、解析的な放射計算コードの開発を行っている。実証実験ではエネルギー22 MeV、バンチ長約100 fsの電子ビームと周期長80 mm、K値3.7のアンジュレータを想定している。このとき各平面アンジュレータからは周波数約1.8 THzの準単色な直線偏光コヒーレント放射が生成される。しかしこの放射電場の形状が正弦波と完全には一致しないこと、放射のサイクル数が有限であることから、例えば2つの放射の位相差をπ/2に調整しても偏光は完全な円偏光から僅かにずれる。またアンジュレータ放射の波長は放射角依存性を持つことから、交叉型アンジュレータにより生成される放射のストークスパラメータも角依存性を持つ。本発表ではこれらの放射特性、偏光特性について示す予定である。