TUP043 粒子源 8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10 |
普及型がん治療装置用新小型ECRイオン源開発のための基礎実験 |
BASIC EXPERIMENT FOR DEVELOPMENT OF NEW COMPACT ECR ION SOURCE |
○髙橋 勝之,福島 恵太,鈴木 太久,佐々野 利信,白石 直浩,髙杉 亘,川島 祐洋(加速器エンジニアリング株式会社),野田 悦夫,岩田 佳之,村松 正幸,関口 雅行,北川 敦志(放射線医学総合研究所),村田 裕彦,高橋 伸明(住友重機械工業株式会社) |
○Katsuyuki Takahashi, Keita Fukushima, Taku Suzuki, Toshinobu Sasano, Tadahiro Shiraishi, Wataru Takasugi, Masahiro Kawashima (AEC), Etsuo Noda, Yoshiyuki Iwata, Masayuki Muramatsu, Masayuki Sekiguchi, Atsushi Kitagawa (NIRS), Hirohiko Murata, Nobuaki Takahashi (SHI) |
放射線医学総合研究所では、2004年から重粒子線がん治療装置の小型化・低コスト化の研究が行なわれた。現在では群馬、佐賀、神奈川の3か所において実機が製作され治療運用されている。これらの治療施設で使用されているイオン源は、装置の小型化・低コスト化のために、永久磁石だけで閉じ込め磁場を形成するECR型イオン源(Keiシリーズ)である。Keiシリーズで採用されている磁場は、既存の10 GHz ECRイオン源の実験において、C4+が多く得られた時の値となっている。今後は入射器の運用コスト削減のため、5価、6価のようなさらに多価の炭素イオンを生成可能なイオン源が求められる。6価の場合は同じ質量電荷比1/2の窒素や酸素のような他核種が混入する可能性がある。したがって、治療用として供給するのであればC5+イオン生成が現実的と考えられる。普及型を考える場合は電源や冷却水の維持などの運用コスト削減のため、永久磁石で閉じ込め磁場を形成するのが望ましい。しかしながら、永久磁石は固定磁場のためC5+が最も多く得られる磁場構造を決定する必要がある。 今回はC5+が最も多く得られる磁場構造を探すために既存の18 GHz ECRイオン源で実験を行った。実験は導入するガスをCH4とした時とCO2とした時で周波数依存性、ミラー磁場依存性、パワー依存性をそれぞれ調査した。ここでは実験結果とそれを元に検討した新規イオン源の仕様について報告する。 |