MOP028  高周波加速空胴  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
スパークプラズマ焼結法で製作されたフェライト-銅接合ブロックの特性
Characteristics of Ferrite-Copper Blocks Fabricated by Spark Plasma Sintering (SPS)
 
○末次 祐介,石橋 拓弥,照井 真司(KEK),石﨑 博之,木村 惇郎,澤畠 孝博(金属技研株式会社)
○Yusuke Suetsugu, Takuya Ishibashi, Shinji Terui (KEK), Hiroyuki Ishizaki, Atsurou Kimura, Takahiro Sawahata (MTC)
 
フェライトは効率の良い電波吸収体として知られており、加速器分野でもHOM (Higher Order Modes)吸収体等として使われてきた。我々は、SuperKEKBのビームコリメータ用に、フェライトを用いたHOM吸収体チェンバーの開発を行っている。フェライトを超高真空下にあるビームパイプに適用するには、ガス放出が少なく、密着性の良いフェライト-金属接合ブロックを製作する必要がある。しかし、フェライトは線膨張率が小さく、引っ張り強度も弱いことから、金属との接合が難しいと言われてきた。我々は、スパークプラズマ焼結法(SPS)に注目し、直径30~50 mm、フェライト厚み5 mmのフェライト-銅接合ブロックの製作に成功した。フェライトと銅との熱伝達率も良好であった。SPS法で焼結されたフェライトは市販のフェライトブロックと同等の密度、複素誘電率、複素透磁率を持っていた。Lバンドの導波管で行った低パワー試験では予想通りのS11特性が得られた。また、SuperKEKBのビームパイプを模した試験空洞でのS21特性もシミュレーションと良い一致を示した。ただし、ベーキング前の熱的ガス放出率はSiCや銅よりは悪く、まだ改善の余地がある。ここでは、SPS法によるフェライト-銅接合ブロックの製作やその特性の測定結果等について報告する。