WEP124  加速器技術/真空  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
SuperKEKB真空システムの建設 - IV
Construction Status of the SuperKEKB Vacuum System - IV
 
○末次 祐介,金澤 健一,柴田 恭,石橋 拓弥,久松 広美,白井 満,照井 真司(高エネ研)
○Yusuke Suetsugu, Ken-ichi Kanazawa, Kyo Shibata, Takuya Ishibashi, Hiromi Hisamatsu, Mitsuru Shirai, Shinji Terui (KEK)
 
KEKではSuperKEKBの建設が2010年から進められている。主リングの真空システムでは、主にビームパイプ、ベローズチェンバーや真空ポンプ等、各種真空機器の新規製作、制御システムの刷新、インフラの更新等が進められている。約1200本の新規ビームパイプは、基本的にアンテチェンバーを持つ構造で、主ポンプとなるNEGストリップがアンテチェンバー内部に組み込まれている。陽電子リング用ビームパイプには電子雲不安定性対策の一つとして内面にTiN膜がコーティングされる。ビームパイプは主リングトンネル設置前に、150℃にて24時間程ベーキングされる。2015年4月の時点で、測定器のバックグラウンド低減に必要なビームコリメータも含め、約98%のビームパイプが主リングトンネルへ設置された。ビームパイプやベローズチェンバーの接続には内面の段差が小さいMO型フランジを採用している。ベーキング、コーティングや設置作業において、のべ5000回以上の締め付けを行ったが、一回目の締め付けでリークが残ったのは5%以下であった。新しい制御システムを用いたトンネル内でのNEG活性化は約40%終了した。イオンポンプのベーキングおよびNEG活性化後の平均圧力は108 Pa台である。冷却水配管、圧空配管更新作業もほぼ終了している。建設の最終段階に入ったSuperKEKB主リング真空システムの現状を報告する。