WEP106  加速器技術/加速器制御  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
J-PARC MRにおける主電磁石Trim-coilリレー切替装置のEPICS制御システム
EPICS control system for trim-coil relay-selectors in J-PARC MR
 
○佐藤 健一,五十嵐 進,上窪田 紀彦(J-PARC/KEK)
○Kenichi Sato, Susumu Igarashi, Norihiko Kamikubota (J-PARC/KEK)
 
J-PARC MRにおける主電磁石(Bend, Quad, Sext)にはTrim-coilが導入されている。このTrim-coilは(1)Beam-Based-Alignmentのスタディ、(2)fluxモニタ、(3)加速中のリップルノイズ除去、(4)電磁石個々のばらつきなどを補正するためのハーモニック補正などの目的で用いられている。これらの利用に用いるために、Trim-coilにはそれぞれの目的に応じた異なるデバイス(主に電源等)を接続する。 これらのデバイスの切り替えの際には3つの建屋に分散された配線を手作業でつなぎ直していたが、2015年2月より導入されたリレー切替装置によって、接続するデバイスをリレースイッチで切り替えることができるようになった。さらにJ-PARC MR標準のPLC型Linux CPUおよびPLC I/O moduleを用いて制御システムを構築することにより、遠隔によるTrim-coilのリレー切り替えを実現した。 リレー切替装置で扱うのはMR主電磁石のうち288台のTrim-coil (Q, S)であり、1台のTrim-coilに対して4種類のデバイスを切り替える。それぞれのデバイスに対してリレーを設けるため、必要な信号点数はリレーだけで1152点、PowerやInterlockなどの信号点も合せるとおおむね1200点となる。 本制御システムは2015年4月における遅い取り出しの機器調整試験から運用が開始され、その後のHD利用運転においても加速中のリップルノイズを低減する目的で用いられた。