WEP095  加速器技術/ビーム診断・制御  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
超高速4極キッカーによる入射ビーム振幅の低減の提案
Proposal of Ultra-fast Quadrupole Kicker for Reduction of Injected Beam Motion
 
○中村 剛,出羽 英紀(高輝度光科学研究センター),安積 隆夫(理研播磨),小林 和生,藤田 貴弘,正木 満博,佐々木 茂樹,大熊 春夫(高輝度光科学研究センター)
○Takeshi Nakamura, Hideki Dewa (JASRI / SPring-8), Takao Asaka (RIKEN Harima), Kazuo Kobayashi, Takahiro Fujita, Mitsuhiro Masaki, Shigeki Sasaki, Haruo Ohkuma (JASRI / SPring-8)
 
SPring-8 では、2極 / 4極キックが連続可変な、数ナノ秒の時間幅のキックを生成する 50kVパルス駆動の超高速キッカーを提案・試作し、ビーム試験において設計どおりのキックを確認した[1]。そこで、これを発展させて SPring-8 蓄積リングに適用し、off-axis 入射された入射ビームの水平ベータトロン振動を、数ナノ秒の時間幅の4極キックを用いて低減する手法を検討している。同様な手法であるパルス4極磁石入射では蓄積ビームの4極振動の励起が問題となり実用となっていないが、本手法では、短パルスキックを用いることによりその影響を入射バンチの近辺の数バンチのみに留めることができるので、蓄積ビームの品質劣化を大きく低減することが可能となる。SPring-8リングでは、入射ビームが持つ大きな水平のベータトロン振動が、種々の挿入光源が生成する非線形磁場の影響により垂直振動へと変換されて挿入光源に衝突し、挿入光源磁石の劣化や入射効率の悪化をもたらしてしており、この改善のために種々の補正用非線形磁石の設置等、大きな努力が払われているが、この水平振動を低減することができれば現象が非線形であることから大きな改善がもたらされることが期待される。 [1] T. Nakamura, H.Dewa, T. Asaka, K. Kobayashi, T. Fujita, M. Masaki,S.Suzuki, S.Sasaki, H.Ohkuma. "50kV-3ns超高速2極-4極キッカーの開発", MOOM08, Proc. of the 11th Ann. Meet. of PASJ (2014).