WEP082  加速器技術/電磁石と電源  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
J-PARC MRにおける主電磁石電源のDCCT取付位置と電源制御の応答特性
A correlation between a response characteristic and a position of a current monitor in a power supply for quadropole magnets in J-PARC MR
 
○中村 衆,下川 哲司,栗本 佳典,森田 裕一(高エネ研)
○Shu Nakamura, Tetsushi Shimogawa, Yoshinori Kurimoto, Yuichi Morita (KEK)
 
高精度な制御を必要とする加速器用電磁石電源において、出力電流のモニタであるDCCTを取り付ける位置は重要である。DCCTが出力する信号は電気的なノイズの影響だけでなく、負荷となる電磁石の配線にも影響を受ける。直列に接続された複数の負荷に対して電流を供給する電源の場合、電源の出力端の片側にのみDCCTを取り付けるとノーマルモードとコモンモードの両方のリプルを測定することとなり、制御に悪影響を与える。 コモンモード電流の制御への影響を防ぐため、J-PARC MRの主電磁石電源群は電源出力の両端にDCCTを取り付け、それぞれの信号の和を制御に使用している。また、電磁石配線をN極とS極に分離し、各電磁石のN極を渡った後にS極を渡って電源に戻すことで、コモンモード電流がつくる磁場の次数を上げ、ビームへの影響を軽減するとともに、DCCTで計測したノーマルモード電流と磁場が近似的に等しいと見なせる状態にした。 この配線方式において、電源から最も遠い電磁石のN極とS極をつなぐ点を流れる電流は原理的にノーマルモードのみとなる。今回、この場所にDCCTを取り付けて出力電流を測定するとともに、電源制御に与える影響を調べた結果を報告する。