WEP072  加速器技術/電磁石と電源  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
セラミックチェンバー一体型パルスマグネットの開発
Development of the ceramic chamber integrated pulsed magnet
 
○満田 史織((公財)高輝度光科学研究センター),笹川 敦司(京セラ(株)),本井傳 晃央,佐々木 茂樹,熊谷 教孝((公財)高輝度光科学研究センター),中西 辰郎(スプリングエイトサービス(株))
○Chikaori Mitsuda (JASRI/SPring-8), Atsushi Sasagawa (KYOCERA Co. Ltd.), Teruo Honiden, Shigeki Sasaki, Noritaka Kumagai (JASRI/SPring-8), Tatsuro Nakanishi (SES)
 
SPring-8では、極低エミッタンスまたは小型将来光源加速器リングへの適用を目指し、狭小ボア径を実現可能な、セラミック真空チェンバー及びパルスマグネットコイルが簡潔に一体化されたパルスマグネットの開発を進めている。開発中の構造では、空芯型1ターンコイルをセラミックチェンバー厚み5mmに長手方向にわたり埋め込み、コイルギャップがセラミック内表面に突出することなく滑らかに接合時、ビームまで近接させている。チェンバーボア径とギャップ径は等しい構造となる。コイル自身は、大気層と真空層の隔壁も担っており、セラミックにより電磁応力、大気圧に対する機械的構造保持と電気絶縁構造が確保されているため、外装、内装は極めて簡潔な構造となっており、ビームインピーダンスの不整合を引き起こすことなく狭小スペースへの設置が可能となる。 2013年に、磁極長0.3m、チェンバー内径30mmのプロトタイプの制作に成功した。このプロトタイプを使い、4usのパルス幅にて20kV/7.7kAのパルス電流を1Hzで印可しながら、同時に、10-6Paの真空租排気、8時間ごとの80℃までのサーマルサイクルを与え、200日を超える、1.3x10-11Pa・m3/sの真空機密度を保持した無故障運転に成功した。 本会では、提案する一体型構造の利点とともにその加速器実装へ向けた課題と取り組み、磁場性能、信頼性について詳細を報告する。