WEP070  加速器技術/高周波源  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
MARX基板の最適化
Optimization of the Marx Circuit Board
 
○鈴木 隆太郎,林 拓実,小笹 有輝,江 偉華,須貝 太一(長岡技科大),徳地 明,澤村 陽(パルスパワー技術研究所),明本 光生,中島 啓光(高エネルギー加速器研究機構)
○Ryutarou Suzuki, Takumi Hayashi, Yuki Kozasa, Jiang Weihua, Taichi Sugai (Nagaoka University of Technology), Akira Tokuchi, Yo Sawamura (PPJ), Mitsuo Akemoto, Hiromitsu Nakajima (KEK)
 
現在、世界最大の加速器ILCが開発・研究されている。ILC用のマルチビームクライストロンには、-120kV(±0.5%),140A,1.7ms,5ppsという長パルスの電源が要求されている。さらには電源の高信頼性、小型化、軽量化、低コスト化が求められている。そこで半導体素子を用いたマルクス回路にチョッパ回路と位相制御を組み合わせた、チョッパ型マルクス電源が提案されている。-1.6kV出力のマルクスセルを4段重畳して1ユニットとし出力-6.4kVを得る。最終的には20ユニットを重畳して目標値-120kVを達成する。このチョッパ型マルクス回路の技術課題として、スイッチング素子の低減が挙げられる。スイッチングロスは、出力のドループを補償するために出力電圧の減衰に応じてゲート幅をPWM制御行っていることにより生じる。これは出力電圧のドループを保障するために、出力の減衰に応じてPWM制御を行っていることが原因である。去年までスイッチング素子にSi-IGBTを用いていたが、今回SiC-FETに変更することで、マルクスセル1枚では回路効率を82%から93%に向上させることができた。また、スイッチング損失だけでなくチョッパ回路のL,マルクス基板間の相互干渉抑制用R,Cの最適化を行い、全体効率の向上を図った。シミュレーションによって、20ユニット重畳した場合のRLCの損失を導出し、出力が最も安定し要求を満たす値を求めた。これらの結果を踏まえ、ILC用のチョッパ型マルクス電源を実現していく。