WEP066  加速器技術/高周波源  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
サイラトロントリガ回路保護用フィルタの導入
Development of filter for thyratron trigger circuit.
 
○中澤 伸侯(スプリングエイトサービス株式会社),稲垣 隆宏,近藤 力,櫻井 辰幸,大竹 雄次(理研 放射光科学総合研究センター),益田 邦和,木村 健,田中 伸一郎(スプリングエイトサービス株式会社)
○Shingo Nakazawa (Spring-8 Service Co.,Ltd.), Takahiro Inagaki, Chikara Kondo, Tatsuyuki Sakurai, Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center), Kunikazu Masuda, Takeshi Kimura, Shinichiro Tanaka (Spring-8 Service Co.,Ltd.)
 
X線自由電子レーザー施設SACLAでは72台のモジュレータ電源を使用しており、サイラトロンのスイッチングによりクライストロンへの高電圧パルス供給を行っている。運転開始より4年が経過し、サイラトロンの経年劣化によると思われるトリガ回路の過電圧抑制(Transient Voltage Suppressor)ダイオードの破損、信号ケーブルの断線等のトラブルが多発しており、対策が急がれている。前述のようなトラブルを起こし、SACLAより取り外されたサイラトロンをテストスタンドにおいて調査した結果、サイラトロン着火時に発生する高周波サージがトリガーラインを伝播し、ダイオードおよび経路上の部品を劣化し破損させている事が判明した。そこで、トリガ信号とサージ成分が周波数領域で分離できることに着目し、トリガ信号を良好に伝達し、かつ、高周波サージエネルギーを吸収するフィルタ回路を設計、製作した。テストスタンドにおいて、このフィルタ回路を実装することにより、高周波サージが抑制されTVSダイオードが破損しないことを確認した。本発表ではフィルタ回路の概要、試験結果および、SACLAへの展開状況について報告する。