WEP063  加速器技術/高周波源  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
SPring-8 1GeV線型加速器beam deflector及びクライストロンモジュレータの改良
Improvement of beam deflector and Klystron Modulator at the Spring-8 1GeV Linac
 
○小林 利明,出羽 英紀,鈴木 伸介,花木 博文(公益財団法人)高輝度光科学研究センター)
○Toshiaki Kobayashi, Hideki Dewa, Sinsuke Suzuki, Hirohumi Hanaki (JASRI/SPring8)
 
SPring-8 1GeV 線型加速器の電子銃エミッションが長時間の電子銃の使用後に発生するダーク電流を除去するビームディフレクターシステムを2001年に設置、稼働しているが、長パルスまでゲートを長くすることを考え、特殊なパルスでビーム偏向を行っていたため、タイミング調整などが難しい点があった。そこで新たに高速高電圧パルサを製作し、実機で性能試験を行った。またクライストロンモジュレータではサイラトロンヒータ/リザーバ電源直流化とその改造で余ったCVTトランスを用い、安定化していなかったトリガ励振器とキープアライブ電源の安定化を行った。これらの改良により、モジュレータのパルス電圧等は安定化され、クライストロンのRF出力も大幅に改善された。この改造でも一部のモジュレータは時々不安定になることがあり、CVTトランスでヒータ電源安定化をしているが、クライストロンヒータ電源が変動することがあり、クライストロンパルス電圧やRF出力などに、その電源変動と強い相関がある事が分かった。この電源の安定化には、AVRを電源ラインに挿入する、または高安定化交流電源を組み込むなどを考えている。新ディフレクターシステムとモジュレータの安定化状況について述べる。