WEP020  光源加速器  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
楔形ターゲット結晶を用いたパラメトリックX線源におけるX線トポグラフの振舞い
Behavior of X-ray Topograph for Parametric X-ray Source Using a Wedge-shaped Target Crystal
 
○稲垣 学,早川 恭史,早川 建,田中 俊成,中尾 圭佐,境 武志,野上 杏子,高塚 健人,佐藤 勇(日本大学電子線利用研究施設)
○Manabu Inagaki, Yasushi Hayakawa, Ken Hayakawa, Toshinari Tanaka, Keisuke Nakao, Takeshi Sakai, Kyoko Nogami, Kento Takatsuka, Isamu Sato (LEBRA, Nihon University)
 
日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)では、125MeV電子線形加速器を用いて新しいX線源であるパラメトリックX線放射(PXR)を共同利用実験者に提供している。LEBRA-PXRシステムは2枚のSi単結晶を使用してエネルギー可変な単色X線ビームが発生でき、第一結晶はX線源であるターゲット、第二結晶はX線輸送の役割を果たしている。PXRから発生するX線ビームはブラッグの回折条件をほぼ満たした状態であり、入射電子ビームとターゲット結晶の角度を変化させるとX線エネルギーを自由に変えられる。このX線ビームはコヒーレンスが良く、水平方向に一次関数的なエネルギー(波長)分散がある。この特性を利用して、波長分散型X線吸収微細構造(DXAFS)測定や回折強調型位相コントラストイメージング(DEI)などの研究に応用されている。LEBRA-PXRシステムにおけるX線画像取得は、主に試料を透過したX線を検出器で測定する手法であるため、トポグラフの影響は試料の構造解析をするにあたり問題が生じる。近年LEBRA-PXRシステムは楔型のターゲット結晶を使用しており、楔の傾斜角(3°および5°)の違いに対して、ターゲット結晶に入射する電子ビームの位置、ターゲット結晶の角度(X線エネルギー)および第二結晶の角度におけるトポグラフの変化を比較検討し報告する。