WEP011  ハドロン加速器  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
原子力機構AVFサイクロトロンにおける大面積イオンビームのリアルタイム横方向強度分布計測のための蛍光体の探索
Investigation of Phosphor Materials for the Real-time Measurement of the Transverse Intensity Distribution of Large-area Ion Beams at the JAEA AVF Cyclotron Facility
 
○百合 庸介,湯山 貴裕,石坂 知久,江夏 昌志,山田 尚人(原子力機構 高崎研)
○Yosuke Yuri, Takahiro Yuyama, Tomohisa Ishizaka, Masashi Koka, Naoto Yamada (JAEA Takasaki)
 
原子力機構高崎量子応用研究所のイオン照射研究施設TIARAのAVFサイクロトロンでは、多重極電磁石を用いて大面積で均一な強度分布を有するイオンビームを形成する技術開発を進めている。ターゲットでの横方向ビーム強度分布の計測と調整は、蛍光板(三菱化学製DRZ-High)からの発光をリアルタイムにモニタしながら行うが、発光感度が高いため、アテネータ(多孔金属板)を用いてビーム強度を大幅に下げる。このため、高強度での照射利用時にビーム強度分布が調整時とは異なる場合があった。そこで本研究では、様々なビーム強度においてリアルタイムビーム強度分布調整を可能にするため、数10〜数100cm2の大面積での利用が可能な蛍光体に着目し、その発光強度を調査した。実験の結果、10MeVの陽子ビームに対して、フッ化カルシウム結晶やポリエチレンナフタレートフィルム等を使い分けることによって、0.001〜10nA/cm2の広範な電流密度において蛍光体を用いたビーム調整が可能となった。これにより、宇宙用太陽電池の耐放射線性試験において要求される高い電流密度の大面積均一ビームの効率的なリアルタイム調整を実現した。