WEOM03  高周波加速空胴  8月5日 あいあいホール 15:50 - 16:10
KEKにおける超伝導電子銃用空洞の高電界試験
Vertical Test of the Superconducting RF GUN Cavity at KEK
 
○許斐 太郎,梅森 健成,加古 永治,小林 幸則,山口 誠哉(KEK),松田 竜一,柳澤 剛(三菱重工)
○Taro Konomi, Kensei Umemori, Eiji Kako, Yukinori Kobayashi, Seiya Yamaguchi (KEK), Ryuichi Matsuda, Takeshi Yanagisawa (MHI)
 
KEKではERLへ応用することを目指し超伝導電子銃の開発を開始した。電子銃の目標性能は平均電流100mA、ビームエネルギー 2MeVである。本電子銃は1.5セルの超伝導加速空洞と背面照射型フォトカソードから構成される。背面照射式フォトカソードは透明超伝導体上にバイアルカリ光電面を成膜したフォトカソードである。このフォトカソードは電子ビーム射出面の背面より励起光を照射できることから、短焦点距離レンズを用いたレーザープロファイル整形を容易に行うことを目的として採用している。超伝導加速空洞の高い表面電場とビームプロファイル整形により、高電荷、高電流ビームを低エミッタンで引き出す。電子銃の加速空洞形状は加速空洞出口で規格化エミッタンス1πmm.mrad、エネルギー広がり0.1%以下を満足するようにSUPERFISHとGPTを用いたビームシミュレーションにより決定した。我々はまず空洞単体の性能評価をするためにニオブ製の加速空洞を製作した。本空洞に適した周波数調整と縦型化学研磨、縦型電界研磨での空洞内面研磨、高圧水洗を行った後に、縦型クライオスタットでの高電界測定を進めている。高電界測定では、マルチパクティングが発生しやすいと考えられるカソードプラグ周辺構造の影響を調べるために、カソードプラグを装着する場合と装着しない場合の2通りの条件で測定を行っている。本発表では電子銃空洞の高電界測定までの処理方法と高電界測定の結果について報告する。