THP127  加速器応用、産業利用  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
コヒーレントX線源用小型加速器のビームローディングと輸送路設計
Design of wavelength tunable coherent X-ray source and beam loading
 
○玄 知奉(総研大),吉田 光宏,佐藤 政則(高エネ研),境 武志,早川 恭史,田中 俊成,早川 建,佐藤 勇(日本大学),遠藤 克己(株式会社トヤマ)
○Jibong Hyun (SOKENDAI), Mitsuhiro Yoshida, Masanori Satoh (KEK), Takeshi Sakai, Yasushi Hayakawa, Toshinari Tanaka, Ken Hayakawa, Isamu Sato (Nihon University), Katsumi Endo (TOYAMA Co.,Ltd)
 
現在、株式会社トヤマ、日本大学、高エネルギー加速器研究機構で波長可変型コヒーレントX線源の開発が行われている。このコヒーレントX線とは、パラメトリックX線のことであり、相対論領域の電子を単結晶に照射することによって発生する。また、発生するX線のエネルギーはブラッグの反射条件を満たす。そのため、電子ビームと結晶面の間の角度を変えるだけで容易にエネルギーを変えることが可能である。このパラメトリックX線を画像診断や治療に用いる予定である。  現在、開発中の加速器では、電子を75MeVまで加速させ、その電子を単結晶のターゲットに衝突させることによってX線を発生させる。さらに、結晶を通過した電子は、減速管まで輸送し10MeV以下にエネルギーを下げた後にダンプする。これにより、ダンプ時に発生する放射線量を極力抑える。また、加速管と減速管を導波管で繋ぎレゾナントリングとすることで、小さい入力電力で大きな周回電力を得ることができるようにしている。輸送路中でエネルギーロスは減らすためには、できる限りエネルギー分散を減らし、高品質のビームを得ることが重要である。そのために、このレゾナントリングのビームローディングの計算とその補正の検討などを行った。また、電子ビームが結晶と衝突した後のエミッタンス悪化を含めて輸送路設計なども行った。学会当日は、ビームローディングや輸送路設計の現状を報告する。