THP120  加速器技術/真空  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
J-PARC RCS 荷電変換装置におけるスロー排気・パージ系統の改修
Improvement of slow purging and slow pumping system on the change exchange system in the J-PARC RCS
 
○飛田 教光,吉本 政弘,山崎 良雄,佐伯 理生二,金正 倫計,竹田 修(日本原子力研究開発機構),武藤 正義(日本アドバンストテクノロジー株式会社)
○Norimitsu Tobita, Masahiro Yoshimoto, Yoshio Yamazaki, Riuji Saeki, Michikazu Kinsho, Osamu Takeda (JAEA), Masayoshi Mutoh (NAT)
 
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS:Rapid Cycling Synchrotron)の荷電変換フォイルは、厚さ約1μmの炭素製薄膜を使用している。フォイルは、ビームが照射され続けることで劣化が進み壊れやすくなる。そこで、安定的な運転を維持する為に、定期的にフォイルの交換を行っている。 フォイルを真空容器内から取り出す、新しいフォイルを再装填して使用する際には、Arパージ作業、真空排気作業が必要となる。フォイルは非常に薄いため気流による破損のリスクが高い。そのため、真空容器内の気流を抑制する目的で、スローパージ・スロー排気系統を採用している。フォイルは薄く破れやすいため、これまでは真空容器のビューポートから真空容器内のフォイルに破損等の有無が生じていないか直接監視しており、残留線量の高い主トンネル内で作業を行っていた。そのため、作業時には高い被ばく線量を作業員が浴びていた。 そこでRCSでは、残留線量の高い主トンネル内での作業を避け、被ばくのリスクが低いサブトンネルへスローパージ・スロー排気系統を移設した。それに合わせて、ビューポートに新たにカメラを設置し、サブトンネルでフォイルの画像を確認しながら作業を行えるシステムを追加した。サブトンネルへの移設により作業員の放射線被ばくは大幅に低減された。  本発表ではスローパージ・スロー排気系統の移設とその効果について詳しく説明する。