THP094  加速器技術/ビーム診断・制御  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
KEK e+/e- Linac 高位置分解能BPM読み出しシステム
High position resolution BPM readout system for KEK e+/e- Linac
 
○宮原 房史(高エネルギー加速器研究機構),一宮 亮(原子力機構),五月女 秀樹(関東情報サービス),佐藤 政則,古川 和朗,諏訪田 剛(高エネルギー加速器研究機構)
○Fusashi Miyahara (KEK), Ryo Ichimiya (JAEA), Hideki Saotome (KiS), Masanori Satoh, Kazurou Furukawa, Takeshi Suwada (KEK)
 
KEK電子陽電子入射器ではこれまでストリップライン型BPMの読み出しにオシロスコープを用いたシステムを利用してきた。オシロスコープを使った読み出しシステムのビームの位置分解能は約30μmであるが、SuperKEKBではエミッタンス制御のために10μm以下の位置分解能が要求されるため、新たに高位置分解能の読み出しシステムを開発した。読み出しシステムは狭帯域(中心周波数180 MHz)のバンドパスフィルタ、16-bit, 250 MSa/s ADCで構成され、ゲインの時間変動補正、ケーブル接続の緩みなどの異常を検知するための較正用パルスの出力が可能である。較正用パルスはビーム位置測定トリガから 6、12 ms 後にx、y方向の計2回の出力、測定をするように設計した。入射器は SuperKEKB LER、HER、ダンピングリング、PF、PF-ARの5つのリングにビームを供給(最大50 Hz)するため、可変アッテネータを用いて0.1〜10 nC/bunch の広いダイナミックレンジを確保した。ビーム位置演算と制御はFPGAを用い、50 Hzでビーム位置読み出し、アッテネータ設定、較正パルス出力が可能である。入射器の制御システムで採用しているイベントシステムと連携して運用するため、VMEバスを採用した。電荷量 0.8 nC/bunchのビームを用いた 3-BPM法により得た位置分解能は 3 μmであった。現在、約100台のBPMの読み出しシステムの置き換えを進めている。本システムの詳細、較正パルスを用いた長期運用試験を報告する。