THP091  加速器技術/ビーム診断・制御  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
J-PARCハドロン実験施設ビームダンプ温度測定システムの改修
Upgrade of Temperature Measurement System for Beam Dump at J-PARC Hadoron Experimental Facility
 
○上利 恵三,里 嘉典,豊田 晃久,森野 雄平(高エネルギー加速器研究機構)
○Keizo Agari, Yoshinori Sato, Akihisa Toyoda, Yuhei Morino (KEK)
 
J-PARCハドロン実験施設では、2015年4月24日11時03分に、ビーム利用運転を再開した。ハドロン実験施設の一次陽子ビームラインのビームダンプは、中心に熱吸収体として無酸素銅のコアがあり、そこには熱電対が設置されその表面温度を40点計測している。今回、温度測定システムを改修し、温度を0.2秒周期で測定し、ある設定温度以上になると異常を検知できるシステムを構築した。J-PARCではMachine Protection System(MPS)があり、これが発報した場合には加速器が自動的に停止する。改修したシステムが異常を検知した場合にはMPSが発報する。 今回の改修では、システムの中核はProgrammable Logic Controller(PLC)により構築されている。PLCはCPU(2つ)、温度計測、出力モジュールから構成されている。CPUモジュールが2つあるのは、1つはラダー用CPUであり機器の温度を計測・制御し、MPS信号を発報する。もう1つのCPUではEPICS-IOCによって、測定された温度・制御情報データをEPICSレコードとしてデータ収集や記録を行うためである。 PLCの温度計測モジュールにおいて、熱電対で測定された温度データを設定されたしきい値レベルと比較し、しきい値レベルより高ければMPSを発報し、自己保持される。 本論文はJ-PARCハドロン実験施設におけるビームダンプ温度計測システムの改修とこのシステムが現在正常に運用されていることを報告する。