THP061  加速器技術/高周波源  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
クライストロンモジュレータ用半導体スイッチの開発と性能評価
Development of the Solid-State Switch for a Klystron Modulator and its Performance
 
○古川 和弥,徳地 明,川瀬 啓悟,磯山 悟朗(阪大産研),加藤 龍好(高エネ研)
○Kazuya Furukawa, Akira Tokuchi, Keigo Kawase, Goro Isoyama (ISIR, Osaka Univ.), Ryukou Kato (KEK)
 
阪大産研ではLバンド電子ライナックの高安定化を目指し、クライストロンモジュレータのサイラトロンに替わる高電圧、大電流スイッチとして静電誘導型サイリスタ(SI-Thy)を使った半導体スイッチを開発している。一昨年の加速器学会で報告した半導体スイッチ(1号機)の最大定格は、電圧25 kV、電流6 kA、繰返し10 ppsである。この半導体スイッチは2年間以上Lバンドライナックの通常運転に使用しているが、数度の故障はありながらもおおむね順調に稼働している。1号機に続き、冷却能力を向上させてLバンドライナックの定格である繰り返し60ppsの運転に対応した2号機を開発した。この半導体スイッチは、一般的なクライストロンモジュレータで使われるサイラトロンの代替にも使えるようモジュール間の配線を変更することにより50 kV、3 kAで動作することもできる。本発表では新たに製作した半導体スイッチ2号機の詳細と、差動アンプを用いた安定度の精密測定、制御基板等で発生している故障の状況について報告する。