THP054  加速器技術/高周波加速空胴  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
J-PARCリニアックにおけるACS空洞の運転状況
Operating status of the ACS in the J-PARC Linac
 
○根本 康雄,田村 潤,伊藤 崇,森下 卓俊,平野 耕一郎,近藤 恭弘,小栗 英知(日本原子力研究開発機構),杉村 高志,南茂 今朝雄(高エネルギー加速器研究機構),青 寛幸(Michigan State University)
○Yasuo Nemoto, Jun Tamura, Takashi Ito, Takatoshi Morishita, Koichiro Hirano, Yasuhiro Kondo, Hidetomo Oguri (Japan Atomic Energy Agency), Takashi Sugimura, Kesao Nanmo (High Energy Accelerator Research Organization), Hiroyuki Ao (Michigan State University)
 
J-PARCリニアックでは、ACS(Annular-ring Coupled Structure)を用いたビーム運転を開始して約1.5年が経過した。ACS空洞の真空圧力については、ビーム運転開始時は約4×10E-7Paであったが、長期運転によるコンディショニング効果によって、現在はビーム運転で要求されるより十分低い1×10E-7Pa程度まで下がっている。ACS空洞のRFトリップ回数についても、長期運転によるコンディショニング効果によって順調に減少し、加速器の稼働率に大きな影響を与えることなく安定に稼働している。運転を開始してからこれまでの間に、ACSビームラインで使用していたアルミ製チェーンクランプの破損による突発的な真空リークが5回発生したため、同様のトラブルを未然に防ぐために全てのアルミ製クランプをステンレス製のものに交換した。現在ACS部では、空洞間に設置しているビームモニタのボア径が周辺のビームダクトと比べて小さいためビームコリメータとしても機能しているが、この場所の残留放射線量が非常に高く問題になっている。本報告では、この残留放射線の問題に対する対策を含め、ビーム運転を開始してからのACSの運転状況について述べる。