THP015  ハドロン加速器  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
J-PARC リニアックにおける大きい入射角を持つ新型スクレーパーの伝熱解析
The heat transfer analysis for a new large entry angled scraper for J-PARC linac
 
○杉村 高志(KEK),平野 耕一郎(JAEA)
○Takashi Sugimura (KEK), Koichiro Hirano (JAEA)
 
J-PARCの入射リニアックは2014年夏にビーム電流を50mAに増強するべく上流部の大改造を実施した。 現在はビーム電流を段階的に増やしている途中であり、30mAでの定常運転を行っている。 下流にあるRCSリングのRFバケットに効率よく入射するために RFQの直後にあるMEBT領域でビームを時間方向に櫛形に成形しているが、 この際に不要となるビームはスクレーパーに照射され、そのエネルギーは熱負荷となる。 現在は水冷した炭素複合材に45°の角度でビームを照射する構成となっているが、 表面の最高温度が使用時間の経過とともに上昇する傾向が観測され、 より大負荷の運転に対して更なる対策が必要であることが明確となった。 伝熱シミュレーションを行い、ビームの入射角を大きく(67°)することと、 炭素複合材の厚みをより厚くすることで、最高温度が下がることを確認した。 今回の発表ではこの伝熱解析の結果と、この結果に基づく新スクレーパー開発予定について報告する。