THP005  電子加速器  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
東北大学1.3 GeV BSTリングにおけるビーム性能の改善
Improvement of beam performance in 1.3 GeV BST ring at Tohoku University
 
○日出 富士雄,柏木 茂,小林 恵理子,柴崎 義信,高橋 健,東谷 千比呂,長澤 育郎,南部 健一,武藤 俊哉,濱 広幸(東北大電子光)
○Fujio Hinode, Shigeru Kashiwagi, Eriko Kobayashi, Yoshinobu Shibasaki, Ken Takahashi, Chihiro Tokoku, Ikuro Nagasawa, Kenichi Nanbu, Toshiya Muto, Hiroyuki Hama (RCEPS, Tohoku Univ.)
 
東北大学電子光理学研究センターにおいて、1997年に完成した1.2 GeV 電子シンクロトロンは東日本大震災からの復旧を経て、2013年12月より新たに1.3 GeV BST(Booster STorage)リングとして共同利用運転が再開されている。BSTリングの利用実験では、加速した蓄積ビームの軌道上にラジエータを挿入して高エネルギーの制動放射ガンマ線を生成し、これによりクォーク核物理の研究や対生成からの2次ビームを用いたテストビーム実験などを実施している。BSTリングでは、これまでに六極磁場入りの機能複合型四極電磁石を用いたクロマティシティ補正や1.3 GeVへのビームエネルギーの増強、震災前と同程度の 20 mAの周回電流の実現などがなされてきた。さらに今年に入ってからは、リング電磁石の再アラインメントや制御システムの改善、ビーム調整の進展等により、加速後に30 mA以上の周回電流が得られるようになった。また制動放射ガンマ線の利用可能なエネルギー範囲を広げる目的で、1 GeVや0.8 GeV運転モードの整備なども進められている。発表では運転の現状や最近の改善点、今後の課題などについて報告する予定である。