THOM07  加速器土木・放射線防護1  8月6日 あいあいホール 11:10 - 11:30
SACLA建屋の収納部床面変位計測
A Floor Deformation of SACLA Building
 
○木村 洋昭(理化学研究所),木内 淳,甲斐 智也(スプリングエイトサービス),安積 則義,松井 佐久夫(理化学研究所)
○Hiroaki Kimura (RIKEN), Jun Kiuchi, Tomoya Kai (SPring-8 Service), Noriyoshi Azumi, Sakuo Matsui (RIKEN)
 
理化学研究所により設置されたX線自由電子レーザー施設SACLAの建屋(全長640m)は、その1/5が岩盤部、4/5は盛土部(最大厚約50m)の上に建設された。安定でない地盤の影響を避けるために建屋基礎構造として、線形加速器部が設置された加速器棟は杭構造、アライメントの許容値が厳しいアンジュレータ部が設置された光源棟は採石置換/直接基礎が採用された。設計会社による建屋設計時の予測最大沈下量はそれぞれ、15mm/10年、2mm/10年であった。 この建屋は2009年3月に完成したが、我々は建設時期から現在まで収納部床面の変位を測定し続けており5年以上の変位のデータが蓄積された。これまでのデータから、建屋の沈下は暫減しており、直近では加速器棟は0.7mm/年、光源棟は0.2mm/年(各々最大沈下部)の沈下であった。予測される2019年までの総沈下量はそれぞれ10mm、2mmと、設計時の予測以内に収まる事がわかってきた。発表では、建屋全体の沈下の様子と建屋基礎構造との関係について示し、他に横方向の変位や加速器棟と光源棟の境界部の季節変動に関しても報告する。