THOLA02  学会賞受賞講演  8月6日 大ホール 17:40 - 18:00
大強度多価重イオンビーム用ECRイオン源の開発
Development of ECR ion sources for production of the intense beam of highly charged heavy ions
 
○中川 孝秀(理化学研究所 仁科加速器研究センター)
○Takahide Nakagawa (RIKEN, Nishina center for accelerator based science)
 
現在ECRイオン源は重イオン加速器の多価イオンビーム生成用外部イオン源として数多く用いられている。特にRIビームを使用した研究を行う加速器施設において大強度一次ビーム生成ための基幹装置の一つとしてその性能を遺憾なく発揮している。理研では数10年にわたり大強度多価重イオンビーム生成のため、ECRイオン源の開発、製作を行うとともに、イオン源の主なパラメータ(ミラー磁場、マイクロ波周波数、マイクロ波パワー、ガス圧 等)がプラズマ、多価重ビーム強度に与える影響の研究を進めてきた。このパラメータのプラズマ、ビーム強度に与える影響の研究は既存のイオン源の性能の理解、向上を促すばかりでなく、新イオン源設計のための重要な指針を与えるため、イオン源開発において重要な課題のひとつであることはいうまでもない。本稿ではこれらに関し理研で行われた研究結果を中心に解説する。またこれらの研究結果等を基に理研で製作されたECRイオン源(常伝導ソレノイドコイルを用いたECRイオン源(使用マイクロ波周波数18GHz)、小型冷凍機による直接伝導冷却型の超伝導コイルを用いたECRイオン源(18GHz)、28GHzマイクロ波を使用した超伝導ECRイオン源)の現状について報告する。