FSP002  施設現状報告ポスター  "8月5,6日" 小ホール 13:00 - 15:00
先端加速器試験施設(ATF)の現状
Status Report of the Accelerator Test Facility
 
○照沼 信浩(KEK)
○Nobuhiro Terunuma (KEK)
 
ATFでは国際リニアコライダー(ILC)において必要とされるビーム計測・制御技術の開発を進めている。特に最近はILC最終収束系の試験施設であるATF2ビームラインを利用した研究開発に重心を移しており、特に最初の目標である垂直方向37nmの極小ビームをATF2仮想衝突点において実現し、Local chromaticity correctionによる最終収束システムの技術を確立することに集中している。レーザー干渉縞を用いたビームサイズモニターの改造、高次磁場成分の評価、wake field対策などを精力的に行ってきた結果、2014年6月には44nmまで絞り込むことに成功した。再現性は十分であり、また、休止期間後の加速器立ち上げでも1日程度の調整で再びこのレベルに復帰できるなどビーム調整技術として信頼できる状態にある。ATF2計画にはもう一つ大きな目標がある。ILC衝突点でのナノメートルサイズの電子・陽電子衝突を維持するためのフィードバック技術開発である。つまり、ナノメートルレベルでのビーム位置制御を実現する事である。このためには数nm分解能でのビーム位置計測技術と応答時間140ns程度の高速フィードバック技術が必須である。我々は高分解能Cavity BPMと位置制御システムをATF2仮想衝突点に組込み、ナノメートルでのビーム安定化に向けたビーム試験を進めている。ATFでの多岐に渡る研究開発には、国内外の大学および研究機関が精力的に参加している。これらを含め、ATFの現状を報告する。