WEP139  加速器土木・放射線防護  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
吸着材蓄熱技術を活用したILCの排熱利用の提案
A proposal on using exhaust heat of the ILC with adsorption thermal storage technology
 
○小久保 孝(高砂熱学工業株式会社),吉岡 正和(東北大学/岩手大学)
○Takashi Kokubo (Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd.), Masakazu Yoshioka (Tohoku University / Iwate University)
 
ILCは、ピーク電力164MW、年間使用電力量10億kWh級の大規模加速器施設である。この大きな電力負荷は、最終的には熱エネルギーになり冷却水で取り出され、従来の加速器施設では、冷却塔で大気に放散されてきた。しかし、研究用の大型電力施設であっても、低炭素化努力が要求される近年の状況では、加速器性能向上や全機器の電力効率向上によって低電力化を図るとともに、排熱の有効利用を考える必要がある。直線距離が長い上、熱の消費場所への距離も長くなるILCにおいては、パイプラインによる熱搬送は不向きで、それに替わる方法が求められる。そこで、水分の吸着と脱着により蓄放熱を行う「吸着材蓄熱技術」により、排熱をコンテナに収納してトラック輸送することを提案する。この技術は、ILCに限らず未利用のまま放置されている多くの排熱を、地元の一次産業(農業・林業・漁業)に有効利用し、六次産業化することに応用できる。東北地方の新しい農林水産事業展開に貢献していきたい。