WEP136  加速器応用・産業利用  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
RFKO装置における広帯域APN回路の最適化
Optimization of APN circuit with a wide band in RFKO system
 
○西原 亮輔(日本大)
○Ryosuke Nishihara (Nihon Univ.)
 
現在、がん治療に最も効果的な重粒子線照射法としてスポットスキャニング法がある。この方法は照射したい部分を数千ブロックに分けて塗りつぶすようにビームを照射する。利点として照射されるビームに無駄がなく、正常細胞へのダメージが最小であることが挙げられる。この照射法を行うためにはシンクロトロンからのビーム取り出しにおいて高速制御が必要であり、それを目的としたビーム取り出し法としてRFKO法が用いられている。また、筆者らは高速四極電磁石(FQ)と高周波ノックアウト装置(Radio Frequency Knockout : RFKO)を用いたQAR法を提案している。セパラトリクス内の粒子はRFKO信号の周波数帯域が広いほど一様に拡散されることが筆者らのビームシミュレーションから示されており、その周波数帯域は普及型シンクロトロンにおいては1〜17[MHz]である。そこに10個の共鳴帯が含まれている。RFKO装置はIT(Impedance Transformer)とAPN(All Pass Network)で構成され、本研究はAPNの特性改善を目的としている。ITの変換比を16:1とし、そのときのAPNの負荷抵抗は800Ωとなる。APNの回路パラメータの最適化にあたってはRFKO電極を接続するリード線の長さによる電極インピーダンスの変化や、コイルの浮遊容量を考慮しLTspiceを用いて回路の最適化を行った。当日はこれらの解析結果、実験結果について報告する.