WEP134  加速器応用・産業利用  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
遅い取り出しビームの光学パラメータの最適化とその検証
Verification and optimization of the optical parameters for slow extracted beam
 
○皿谷 有一(量研機構),竹下 英里(神奈川がんセンター),古川 卓司,原 洋介,水島 康太,早乙女 直也,丹正 亮平,白井 敏之,野田 耕司(量研機構)
○Yuichi Saraya (QST), Eri Takeshita (KCC), Takuji Furukawa, Yousuke Hara, Kota Mizushima, Naoya Saotome, Ryohei Tansho, Toshiyuki Shirai, Koji Noda (QST)
 
三次元スキャニング照射法ではビームのサイズや位置を高精度に制御することが重要であり、ビーム輸送ラインの光学系の最適化やビーム位置を治療の基準位置に合わせることが必要である。光学系の最適化は、出射点での光学パラメータの設計値に基づき行われるが、これには計算とのずれがある。我々は、輸送ライン上に設置された蛍光膜とCCDカメラで測定したビームサイズと位置の変動量から、出射点の光学パラメータを検証し最適化を行う方法を開発し、神奈川県立がんセンターの重粒子線治療装置において実験を行った。本手法では、まず出射中のビーム位置の変動量から、ディスパージョンの最適化を行い、次に複数のモニターで測定したビームサイズから出射点でのツイスパラメータとエミッタンスを求める。このような検証と最適化を行うことで、高い精度で計算と実測を合わせることができ、出射中の位置とサイズの変動も僅かであった。光学系の最適化を行った後は、計画された線量分布と実際の線量分布がずれないよう、ビームの位置を治療室での基準点に合わせる必要がある。治療室内に設置された蛍光膜とCCDカメラで測定したビーム位置のずれから上流のステアリング電磁石の補正電流値を計算する手法を開発し、これまでより短時間にビーム位置のずれを+/- 0.5 mm 以内に調整することができた。本講演ではこれらの結果について発表を行う。