WEP118  レーザー  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
クラブ衝突レーザーコンプトン散乱のためのレーザーシステム開発
Development of laser system for crab crossing laser Compton scattering
 
○太田 昇吾,小柴 裕也(早稲田大学理工学研究所),坂上 和之(早稲田大学高等研究所),鷲尾 方一(早稲田大学理工学研究所),東口 武史(宇都宮大学)
○Shogo Ota, Yuya Koshiba (Waseda Univ. Research Institute for Science and Engineering), Kazuyuki Sakaue (Waseda Univ.,Waseda Institute for Advanced study), Masakazu Washio (Waseda Univ. Research Institute for Science and Engineering), Takeshi Higashiguchi (Utsunomiya University)
 
レーザーコンプトン散乱は電子ビームとレーザーの衝突によってX線など高エネルギー光子が生成される現象である。特に発生したX線は準単色かつ高輝度であり、小型高輝度X線源として構築可能であるため様々な産業分野への応用が期待される。そのためにも十分な散乱光量ないしはルミノシティが必要である。実際の衝突においてはレーザー光として光共振器を用いる場合が多く、その場合正面衝突ではなく角度を持った衝突となってしまう。この時、ルミノシティは正面衝突時よりも低下する。そこでこの課題解決のために本研究で提案するのがクラブ衝突である。クラブ衝突とは電子ビームに傾きを付与した状態でレーザーと衝突させることであり、これによって疑似的な正面衝突を再現でき、ルミノシティの向上が期待できる。本研究ではこのクラブ衝突によるルミノシティの増加を実証する。また、クラブ衝突によるルミノシティへの寄与はレーザーのパルス幅が短いほど大きくなることが分かっているため、衝突用レーザーには高強度であることはもちろん超短パルス性も求められる。本研究ではYbを用いたファイバーレーザー発振器を構築することで超短パルス性を実現した。さらに高強度を目指すために現在はパルス増幅を得意とし、高品質なビームを生成できることで知られるThinDisk再生増幅器の開発を行っている。本年会ではそのクラブ衝突に向けたレーザーシステム開発及び今後の展望について報告する。