WEP115  粒子源  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
RIビームがん治療用ISOLシステムに用いる1価イオン源のイオン生成効率
Ion production efficiency of singly charged ion source for heavy-ion cancer therapy with radioactive ions
 
○片桐 健,野田 章,涌井 崇志,北條 悟,白井 敏之(量研機構放医研)
○Ken Katagiri, Akira Noda, Takashi Wakui, Satoru Hojo, Toshiyuki Shirai (QST/NIRS)
 
重粒子線治療において,PET装置で線量分布をリアルタイムに検証する技術を実現するために,Isotope Separation On-Line (ISOL)法により,11CビームをHIMACシンクロトロンから供給することを検討している.この計画では,小型サイクロトロンを用いたプロトン照射で生成された11C分子をイオン化して加速する.このイオン化のプロセスでは,まず1価イオン源(SCIS)により1価11Cイオン(CO2+, CO+, 或はC+)を生成し,不要な同位体を分離した後に,その1価11CイオンをEBISイオン源に入射して荷電増幅を行う.限られた生成量の11C分子から,治療に要求される量の多価11Cイオンを生成するためには,SCISは少なくとも0.1%の1価11Cイオン生成効率を達成しなければならない.この生成効率の達成を目指して,低エネルギー電子ビームを用いたSCISの開発を進めてきた.今回,非放射性の12CO2ガスから12CO2+イオン, 12CH4ガスから12C+イオンの生成を行い,それらの生成効率の測定を行った.本発表では,これらの実験結果を示すと共に,ISOLシステムへの応用の観点からSCISの性能を議論する.