WEP107  粒子源  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
RF電子銃用高耐久フォトカソードの開発
Development of highly-durable photocathodes for RF-gun
 
○宮松 順也,小野 央也(早稲田大学理工学研究所),坂上 和之(早稲田大学高等研究所),鷲尾 方一(早稲田大学理工学研究所),飯島 北斗(東京理科大学),全 炳俊(京都大学エネルギー理工学研究所)
○Junya Miyamatsu, Hiroya Ono (Waseda Univ. Research Institute for Science and Engineering), Kazuyuki Sakaue (Waseda Univ. Institute for Advanced study), Masakazu Washio (Waseda Univ. Research Institute for Science and Engineering), Hokuto Ijima (Tokyo Univ. of Science), Heishun Zen (Institute of Advanced Energy, Kyoto Univ.)
 
早稲田大学で使用している1.6セルCs-TeフォトカソードRF電子銃では、電子源としてフォトカソードを用いている。フォトカソードとは光電効果によって電子を取り出すことができる陰極で、入射するレーザーパルスによるビーム形状の制御性が高く、高性能な電子源として知られている。フォトカソードの性能は主に量子効率と寿命の2点で評価される。RF電子銃内で実際に使用しているCs-Teフォトカソードは、紫外光で最大10%程度と高い値を示し、また1/e寿命は数か月と半導体フォトカソードの中では比較的長寿命であるが、電子銃内においては1%以下まで下がってしまうことが確認されている。現在、さらなるビーム電荷量の増大及びレーザーシステムへの負担軽減を目的とし、可視光でも電子を取り出すことができるCsK2Sbフォトカソードの導入を検討しているが、Cs-Teフォトカソードに比べて耐久面で劣り、RF電子銃内での長期運転に耐えられないことを確認した。そこでCsK2SbフォトカソードのみでなくCs-Teフォトカソードに対して、保護膜としてCsBrを付与することにより高耐久化・長寿命化を試みたところ、一定の寿命改善効果を蒸着容器内ではあるが確認することができた。本発表ではフォトカソードに対するCsBr保護膜の有効性について試験した結果、及び今後の展望に関して報告する。