WEP106  粒子源  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
SuperKEKB電子入射器のためのイリジウム・セリウム光陰極の高性能化
Improvement of photoemission properties of iridium cerium compound for SuperKEKB injector linac
 
○佐藤 大輔,張 叡,周 翔宇,西田 麻耶,夏井 拓也,吉田 光宏,古川 和朗(高エネ研)
○Daisuke Satoh, Rui Zhang, Xiangyu Zhou, Maya Nishida, Takuya Natsui, Mitsuhiro Yoshida, Kazuro Furukawa (KEK)
 
SuperKEKB電子・陽電子入射器では、KEKB加速器で達成された世界最高ルミノシティの40倍に相当する8×10^35 cm^−2・s^−1というルミノシティを実現するために高電荷かつ低エミッタンスの電子・陽電子ビームが求められる。その中でも特に電子ビームにおいては、KEKB線形加速器の電荷量の約5倍に相当する5 nC/bunchで、水平/垂直方向エミッタンスが50/20 mm-mrad以下というビームパラメータが要求性能となっている。これらの仕様を満たすべく、我々のグループでは擬似進行波型やカットディスク型といった特殊な高周波加速空洞を用いて電子ビームの空間電荷効果を極力抑え、高電荷電子ビームでも低エミッタンス性を保ったまま加速できる光陰極型RF電子銃の開発を行ってきた。また、光陰極材料にはSuperKEKB加速器にて半年から一年に渡る長期連続安定運転を実現するため、長寿命で比較的量子効率の高いイリジウム・セリウム化合物を独自開発し、前述の電子銃と共にビームコミッショニングを行ってきた。本発表では、これまでのイリジウム・セリウム光陰極を用いたビームコミッショニングの結果や当該光陰極の高量子効率化や表面組成の均一化に向けた材料開発の現状について報告する。