WEP076  電磁石と電源  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
J-PARC主リング高繰返し化に向けた主電磁石用電源のためのコンデンサバンクの開発
Development of capacitor bank of J-PARC MR main magnet power supply for high repetition rate operation
 
○森田 裕一,大越 隆夫,栗本 佳典(高エネ研),佐川 隆(ユニバーサルエンジニアリング),下川 哲司,内藤 大地,三浦 一喜(高エネ研)
○Yuichi Morita, Takao Oogoe, Yoshinori Kurimoto (KEK), Ryu Sagawa (Universal Engineering), Tetsushi Shimogawa, Daichi Naito, Kazuki Miura (KEK)
 
J-PARC主リングではビームパワーを増強するために運転周期を現状の2.5秒から1.3秒へ速める。高繰返し化に伴って、電磁石電源の出力電圧の増加、及び電磁石の励磁エネルギーを1次側へ回生することによる系統の電力変動が問題となる。さらに、ビーム性能の向上のために出力電流の低リップル化が求められている。我々はこれらを解決可能な電源を開発し、現行電源と入れ替える計画である。系統の電力変動に対しては、電源あたり最大で数Fのコンデンサバンクを用いて回生エネルギーを貯蔵する。コンデンサバンクは5 mFのコンデンサを並列に96台接続した回路を1単位としている。最大充電電圧は1700 Vであるため、1単位の最大貯蔵エネルギーは0.7 MJとなる。各単位は異なる対地電位にあり、最大で約5 kVの電位をもつ。40フィートのハイキューブコンテナ内に2単位ずつ内蔵し、屋外に設置する予定である。各電源が必要とする静電容量に合わせて当該コンテナの台数を選ぶ。内部短絡の防止を目的として、セグメント化した蒸着パターンを持つセルフヒーリングタイプの乾式フィルムコンデンサを用いる。短絡したと仮定しても被害が限定的となるように20 mFにつきヒューズを1本取り付け、且つ、短絡したコンデンサにエネルギーが集中しないように各コンデンサに抵抗器を接続している。本報告ではコンデンサバンクの設計および製作について紹介する。