WEP075  電磁石と電源  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
J-PARC-MRアップグレードのための新しい速い取り出し用低磁場セプタム電磁石の開発(3)
The development of a new first extraction septum magnet for upgrading of J-PARC MR(3)
 
○芝田 達伸(高エネ研),川口 祐介,中村 健太,濱野 慧(ニチコン),石井 恒次,杉本 拓也,松本 教之,松本 浩(高エネ研)
○Tatsunobu Shibata (KEK), Yusuke Kawaguchi, Kenta Nakamura, Kei Hamano (Nichicon), Koji Ishii, Takuya Sugimoto, Noriyuki Matsumoto, Hiroshi Matsumoto (KEK)
 
J-PARC-MRの速い取り出し用ビームパワーの目標値は750kWである。そのため繰返し周期を1.3秒にする必要がありMR用出射電磁石の改修が進行中である。本発表ではその内の低磁場セプタム電磁石について報告する。 現行機の低磁場セプタム電磁石は電流型セプタム電磁石であるためセプタムコイルを使用している。しかしコイル振動によるセプタムコイル表面の絶縁耐久性が近年心配されている。他にもビーム強度増強に伴い大きくなるビームハロー部のビーム損失量を軽減するために現行機よりも大きなアパーチャーの電磁石が必要になる。更に周回軌道上への漏れ磁場も磁極間磁場の10^-3程度と決して小さくはない。大強度化のため新しい低磁場セプタム電磁石と電源を開発している。新しい低磁場セプタム電磁石には誘導型渦電流タイプ(Eddyカレント型)を採用した。Eddyカレント型にセプタムコイルはなく、薄いセプタム板で発生する渦電流を使って漏れ磁場分を消失させる事ができる。セプタムコイルがないため絶縁耐久性の心配はなく、漏れ磁場も10^-4台を期待している。 2014年に1台目のEddyセプタム電磁石と電源を構築した。 2014年と2016年のPASJでは磁極内磁場と漏れ磁場測定、電源の出力調整について報告した。 その後も電源調整や長時間の安定性試験等を行っている。一方電源の一部を大きく改修する計画が進んでいる。本発表では電源調整の現状と電源改修について報告する。