WEP064  LLRF  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
SuperKEKBにおける加速モード結合バンチ不安定性のダンパー特性評価と抑制シミュレーション
Evaluations of damper characteristics and damping simulations for coupled bunch instabilities caused by the accelerating mode at SuperKEKB
 
○廣澤 航輝(総研大),赤井 和憲,絵面 栄二,小林 鉄也,中西 功太,西脇 みちる,吉本 伸一(高エネ研)
○Kouki Hirosawa (SOKENDAI), Kazunori Akai, Eizi Ezura, Tetsuya Kobayashi, Kota Nakanishi, Michiru Nishiwaki, Shin-ichi Yoshimoto (KEK)
 
SuperKEKBは衝突点におけるナノビーム方式と大電流を軸に高ルミノシティを目指す加速器である。2016年2月から6月までPhase-1試運転が行われ、2018年2月からPhase-2試運転が計画されている。SuperKEKB蓄積リングのビーム大電流化が引き起こす不安定性の一つに、加速モードに起因する結合バンチ不安定性の問題がある。この不安定性は主に加速モードの空洞インピーダンスによって大きさが決まり、ビーム電流値が大きいほど高次の結合バンチ不安定性が生じることが知られている。KEKBではRFフィードバックによるインピーダンスダンパーを用いて最低次のモード(m= -1モード)を抑制していたが、SuperKEKBでは更に高次のモード(m=-2, -3モード)が生じる可能性がある。SuperKEKBの電流値増大のためにはこれらのモードを抑制することが不可欠であるので、新たにm=-1, -2, -3モードに対応するダンパーを開発し、Phase-2以降の電流値増大に向けて、これらダンパーの特性評価を行なった。また、従来のシステムで抑制できていたm=-1モードも、電流値が増大することで不安定性が大きくなり、複数台のダンパーを導入する必要があると考えられる。振動抑制のシミュレーションによってフィードバックのゲインとダンパーの必要台数の評価を行なったので、その結果を報告する。