WEP060  高周波源  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
共振器を設置した仮想陰極発振器の特性評価
Characteristic evaluation of virtual cathode oscillator with resonator
 
○大賀 達朗,伊藤 智哉,孔 純亜,須貝 太一,江 偉華(長岡技術科学大学)
○Tatsuro Ohka, Tomoya Ito, Chunya Kong, Taichi Sugai, Weihua Jiang (Nagaoka University of Technology)
 
大電力マイクロ波は、加速器や医療分野、宇宙関連分野など幅広い分野に応用が期待されている。マイクロ波とは1〜30GHzの電磁波であり、100MWを超える電力を持つマイクロ波を大電力マイクロ波と呼ぶ。大電力マイクロ波の発生方法は様々あるが、本研究では仮想陰極発振器(Vircator)について共振器を設置した場合の出力特性評価を行った。Vircatorの特長として構造が単純、発振周波数が1〜10GHz程度まで調整可能が挙げられる。一方でマイクロ波発振効率が低いことが指摘されている。そのため本研究の目的はVircatorのマイクロ波発振効率の向上にある。そこで発生したマイクロ波を反射させ定在波を作り共振させるための共振器を設計し、共振によりマイクロ波の相互作用を強めることによる出力向上を検討した。本研究では共振器を設置しない従来のVircatorと共振器を設置した場合について出力特性評価を行った。その結果、内径144mm、軸方向長さ80mm、反射板内径110mmの共振器を設置することで最大放射電力83.3MW、発振効率2.74%の出力が得られ、従来のVircatorと比較して放射電力・発振効率ともに約45%向上した。また共振器設置により発振周波数の単一性も向上した。これらの結果から適切な共振器を設計することでVircatorの出力向上および発振周波数の単一化が可能であると考えられる。