WEP057  高周波源  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
仮想陰極発振器における電子ビームの挙動
Behavior of electron beam in virtual cathode oscillator
 
○伊藤 智哉,大賀 達朗,孔 純亜,須貝 太一,江 偉華(長岡技術科学大学)
○Tomoya Ito, Tatsuro Ohka, Chunya Kong, Taichi Sugai, Weihua Jiang (Nagaoka University of Technology)
 
大電力マイクロ波(High Power Microwave : HPM)に関する研究は加速器や送電といった分野への応用が期待されている。HPM発生源のひとつに仮想陰極発振器(Virtual cathode oscillator : Vircator)がある。仮想陰極発振器は他のHPM発生源と比較して外部磁場が不要で構造が簡単、周波数の調整が可能、大電力を発生可能という利点を持つ。反面、変換効率が高くても十数%と低い、発振メカニズムに不明な点が多いという欠点も併せ持っている。本研究室ではこれまでに高効率・大電力の仮想陰極発振器の開発を目的に、高繰り返しパルスパワー発生装置”ETIGO-Ⅳ”を用いた仮想陰極発振器の構造検討及びマイクロ波測定、共振器の導入と効果の検証、Particle in cell(PIC)コード”MAGIC”でのシミュレーションによる最適化を行ってきた。その結果発振周波数2.5GHz、最大電力82MWのマイクロ波を発生することに成功した。本研究は仮想陰極発振器における電子ビームの挙動を定量的に解析しマイクロ波との関係性をより明確にすることを目的とした。電子ビーム電流測定用の分流器を製作しビーム進行方向での電流分布、導波管の径方向に発散する電流量、カソードからの電子の放出分布の測定を行った。これらの結果を踏まえ、仮想陰極発振器における電子ビーム挙動とマイクロ波の関連性を調査した。