WEP053  高周波加速構造  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
強制風冷式同軸型カプラ
Forced-air-cooled coaxial coupler
 
○影山 達也,吉野 一男,渡邉 謙,阿部 哲郎,坂井 浩,竹内 保直(高エネ研)
○Tatsuya Kageyama, Kazuo Yoshino, Ken Watanabe, Tetsuo Abe, Hiroshi Sakai, Yasunao Takeuchi (KEK)
 
同軸型カプラの冷却について強制風冷方式を検討した。風冷は水冷(液冷)に比べて冷却効率は劣るが、以下のような二つの利点を有する。まず、浸食(エロージョン)・腐食(コロージョン)のリスクが格段に低い。次に、冷却流体は同軸管を満たしている媒質と同じ空気である。よって、内導体への冷却流体の導入において、冷却水(液)の場合に使用される丁字型、もしくは十字型のスタブ構造が不要となる。結果として、RF電力伝送の周波数帯域を広くとれる。広帯域という点では、加速空洞からの高次モードの取り出しに使用されるHOMカプラへの応用が期待される。ひとつの応用例として、アレス空洞の結合空洞減衰器を現行の水冷方式から風冷方式に変更する案について検討した。アレス空洞は、加速空洞が結合空洞を介して電磁場エネルギー貯蔵空洞に結合されている三空洞系であり、KEKBに引き続きSuperKEKBでも再使用される。結合空洞減衰器は、加速モード(π/2モード)の周波数近傍両側の寄生固有モード(0モード、πモード)を減衰させるべく、結合空洞に取り付けられる同軸アンテナ型カプラである。今回、当該風冷式カプラ開発に向けてのRF設計、熱流体解析による冷却性能評価などについて報告する。