WEP052  高周波加速構造  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
アンテナ型HOMカプラを有する1.5GHz TM020モード型高調波空洞の検討
Design study of the 1.5GHz TM020 harmonic cavity with rod type HOM coupler
 
○高橋 毅,坂中 章悟,山本 尚人(高エネルギー加速器研究機構)
○Takeshi Takahashi, Shogo Sakanaka, Naoto Yamamoto (KEK)
 
KEK放射光科学研究施設においては、極低エミッタンスの3GeV蓄積リング型高輝度放射光源(KEK-LS)が検討されている。本計画におけるエミッタンス性能実現のため、主加速空洞と高調波空洞を組み合わせたダブルRFシステムを使用し、バンチ長を伸ばすことを検討中である。ここで使用される高調波空洞はR/Qが小さく無負荷Q値が大きいことが要求されることから、TM020モードを加速に使用する1.5GHzのTM020モード型高調波加速空洞の設計検討を行った。TM020モードを使用する加速空洞は、高次モード(HOM)減衰用アブソーバを空洞内部に設置した構造が最初に提案された[1]。我々は、アンテナ型HOMカプラを使用してHOMを減衰させる、比較的構造の簡単な加速空洞を考え、これについて電磁場解析を行った。主にANSYS HFSSコードを用いて解析した結果、アンテナ型HOMカプラによりTM010モードを含む主要なHOMを十分減衰可能であることが判明した。一方、2つのHOMモードに関しては減衰が不十分であり、今後の課題が残っている。本発表ではアンテナ型HOMカプラを使用した1.5GHz TM020モード高調波空洞の構造、アンテナ型HOMカプラのTM020への影響、および各HOMのQ値の変化等を報告する。 参考文献:[1] 惠郷博文 他、「SPring-8-II高次モード減衰型高周波加速空胴の開発」第11回加速器学会年会、pp237-241