WEP051  高周波加速構造  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
HOMカップラー4本付き空洞の対称性と共振モードの分類
Symmetry of an RF cavity having four HOM couplers and classification of its resonant modes
 
○坂中 章悟(高エネルギー加速器研究機構)
○Shogo Sakanaka (KEK)
 
検討中の極低エミッタンスリングKEK-LSにおいてバンチを伸長するため、1.5 GHzの高調波空洞を検討中である。検討中の高調波空洞では、空洞側壁に取り付ける4本の高次モードカップラーで高次モードを減衰させる。このような軸対称性が破れた加速空洞では、厳密に言うと、空洞内の共振モードを軸対称空洞の共振モード(TEnmp-like, TMnmp-like)で表すことが出来ない。特に、二つ以上の共振モードの共振周波数が近い場合、摂動によりそれらが混合し、電磁場パターンが元の共振モードと大きく異なるモードが出現する事がある。このような軸対称でない空洞においては、空洞の幾何学的な対称性を対称操作の群で表し、その群の既約表現を用いて共振モードを分類することができる。この方法では、任意の対称性を持つ空洞の共振モードを、システマティックで厳密に分類することができる。また、もとの軸対称空洞における共振モードのどれとどれとが摂動によって混合しうるかを、予言することができる。本発表では、検討中のHOMカップラー付き空洞を例にとって、空洞の対称性と共振モードの分類に関する考察を行う。