WEP039  高周波加速構造  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
4分割方式Xバンド単セル型空洞の高電界試験の結果
High-gradient test results on a quadrant-type x-band single-cell structure
 
○阿部 哲郎,高富 俊和,肥後 壽泰,松本 修二,荒木田 是夫(高エネ研)
○Tetsuo Abe, Toshikazu Takatomi, Toshiyasu Higo, Shuji Matsumoto, Yoshio Arakida (KEK)
 
常伝導の高電界加速管は、従来、輪切りに相当するディスクを十数枚から数十枚積み重ねて接合する方法で製作する。この場合、加速モードによる表面電流は、ディスク間の接合面(ビーム軸に垂直)を渡る。一方、4分割方式(または、2分割方式)で製作する加速管は、ビーム軸を含む平面が接合面となるため、当該表面電流が接合面を渡ることは(摂動的効果を除き)無いという大きな特徴を持つ。また、高電界加速管製作を4分割方式で行うことにより、大幅なコスト削減に繋がる可能性もある。我々は、2009年、18個セルから成る減衰型Xバンド加速管を4分割方式で製作し、高電界試験を行った。Xバンド加速管は、減衰型の場合でも、加速勾配 100 MV/m 以上までコンディショニング出来るのが通常である。しかし、その4分割方式加速管では、60 MV/m より高い領域へ到達することが出来なかった。実験的にその原因を突き止めることは出来なかったが、その後のシミュレーション研究等に基づき、従来の4分割方式について考えられる全ての欠点を克服する改良4分割方式を考案した。そして、実際にその効果を調べるため、比較的試験遂行の容易な単セル型空洞を改良4分割方式で製作、KEK/Nextef 施設にて高電界試験を行った。その結果、目標の 100 MV/m を大きく上回り、120 MV/m を超える加速勾配まで達成することができ、新しい4分割方式の効果と可能性を確認した。