WEP033  ビームダイナミクス・加速器理論  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
線形集束場の揺らぎが高強度ハドロンビームの長時間安定性に及ぼす影響に関するポールトラップ実験
Paul-trap experiment on the effect of linear focusing-field fluctuations on the long-term stability of an intense hadron beam
 
○伊藤 清一,松葉 政統,岡本 宏己(広島大学 大学院 先端物質科学研究科)
○Kiyokazu Ito, Masanori Matsuba, Hiromi Okamoto (Grad. Advanced Sciences of Matter, Hiroshima Univ.)
 
加速器中を走行する荷電粒子ビームと線形ポールトラップ中に捕捉されたイオン群(非中性プラズマ)の運動は空間電荷効果まで考慮しても物理的に等価である.従って,加速器ビームの運動を非中性プラズマを用いて模擬的に実験することが可能である.非中性プラズマを用いた実験には,パラメーターの制御性が高く,その可変範囲も広い,現象が眼前で進行するので観測が容易である,放射化の心配が無い,安価である等の利点がある. 電源のノイズ等により収束場に揺らぎが生じるとビームの安定性が損なわれ,ライフタイムは短くなる.次世代の大強度蓄積リングを設計するためには,このような揺らぎが大強度ビームの長時間安定性に与える影響を評価しておくことが重要である.本研究では線形ポールトラップの断面方向閉じ込め用の四重極高周波電圧に意図的にノイズを重畳することで,ビーム(イオンプラズマ)の安定性に収束場の揺らぎが及ぼす影響を実験的に調査した.