WEP031  ハドロン加速器  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
J-PARC MRにおけるビーム散乱体を用いた遅い取り出しビームロス低減手法の検討
Simulation study of beam scatterer for beam loss mitigation in slow extraction at J-PARC MR
 
○武藤 亮太郎,新垣 良次,木村 琢郎,村杉 茂,岡村 勝也,白壁 義久,冨澤 正人,柳岡 栄一(高エ研)
○Ryotaro Muto, Yoshitsugu Arakaki, Takuro Kimura, Shigeru Murasugi, Katsuya Okamura, Yoshihisa Shirakabe, Masahito Tomizawa, Eiichi Yanaoka (KEK)
 
J-PARC(茨城県東海村)の30GeV陽子シンクロトロン(以後J-PARC主リングと呼ぶ)では、遅い取り出しビームのさらなる大強度化を目指して性能向上の努力が続けられている。 陽子シンクロトロンからの遅いビーム取り出しにおいてはビームロスが原理的に不可避である。それはビームを削り出す役割を担う静電セプタム(ESS)のセプタム電極に必ずある割合でビームが当たってしまうからである。このビームロスは加速器の機器の放射化を引き起こすため、大強度ビームの遅い取り出しを目指す際には如何にビームロスを低減するかが最も重要な課題の1つとなる。 本発表では、 静電セプタムのセプタム電極の上流にビーム散乱体を設置することにより、セプタム電極にヒットするビーム量を減らし、ビーム散乱体によるものとセプタム電極によるものを合わせた総ビームロス量を、ビーム散乱体を設置しない場合よりも減らすことが出来る可能性について、シミュレーション結果に基づいて議論し、ビームロス低減に最適なビーム散乱体の材質や位置、形状について報告する。