WEP020  ハドロン加速器  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
J-PARC 3MeV LINACを用いたビームスクレーパの負水素ビーム照射試験
Negative hydrogen ion beam irradiation experiments of beam scrapers using the J-PARC 3MeV-linac
 
○平野 耕一郎,石山 達也(J-PARC/原子力機構),杉村 高志,丸田 朋史(J-PARC/高エネ研),栗原 俊一(高エネ研)
○Koichiro Hirano, Tatsuya Ishiyama (J-PARC/JAEA), Takashi Sugimura, Tomofumi Maruta (J-PARC/KEK), Toshikazu Kurihara (KEK)
 
パルス幅500μsのマクロパルスビームは、RFQ下流のMEBT領域にあるRFチョッパ空洞の電界によって、その一部が蹴りだされ、パルス幅456nsの中間パルスが815nsの周期で並んだ構造を持つビームに整形される。蹴りだされたビームは、RFチョッパ空洞から約70cm離れた場所にあるビームスクレーパに負荷される。これまで、炭素複合材を用いたビームスクレーパの表面最大温度は2500℃、損傷による深さは300μmであった。今後、ビーム電流が増強されるため、負水素イオンビーム照射による化学的な変化や昇華などにより、ビームスクレーパの損傷が増大することが懸念される。そこで、J-PARCリニアックとは別に、3MeVリニアックを構築し、ビームスクレーパの照射試験を実施している。運転条件は、ビームエネルギー3MeV、ビーム電流30mA、最大パルス幅1ms、最大繰り返し5Hz、ビームサイズ(σx 3.3mm、σy 2 mm)、1σ当たりの最大電力密度15MW /m^2である。今回は、ビームスクレーパの照射試験について報告する。