WEP018  光源加速器  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
SPring-8-IIにおける再利用を想定した真空封止型アンジュレータの大規模改造
Major refurbishment of an in-vacuum undulator for reuse in SPring-8-II
 
○長谷川 照晃,田中 隆次,金城 良太,貴田 祐一郎(理化学研究所 放射光科学総合研究センター),備前 輝彦,清家 隆光,久間 正之,鏡畑 暁裕(高輝度光科学研究センター)
○Teruaki Hasegawa, Takashi Tanaka, Ryota Kinjo, Yuichiro Kida (RIKEN SPring-8 Center), Teruhiko Bizen, Takamitsu Seike, Masayuki Kuma, Akihiro Kagamihata (JASRI)
 
2017年4月よりSPring-8 BL05を加速器診断ビームラインから硬エックス線領域の実験ビームラインへと用途を変更し、ユーザー利用を開始した。挿入光源はBL35XUで1999年8月から2010年3月まで利用した後、短周期型アンジュレータへの交換を機に撤去し、保管していた標準型アンジュレータ(長さ4.5m)を改造して再利用した。磁石列を支持する3つのユニットを保持する共通ベースを、ダイヤモンドワイヤーソーを用いて長手方向2/3の位置で2つに切り分け、真空チャンバや駆動軸などの機械連結部を外して分離した。このうち、2つのユニットが乗る架台を再利用して、長さ4.5mから3mへと短尺化した。これはSPring-8アップグレード(SPring-8-II)で直線部が短縮された後でも継続して利用できる寸法である。磁石列も、端部磁石を再配置してから磁場積分と磁場分布を再調整することにより、2ユニット分を再利用し、さらに、電気配線や冷却水配管も、整理して再構築した。これらの改造には約2カ月を要するが、新規に製作する場合と比較してコストは約1/10まで安価になる。しかし、磁石周期22mm、磁石列長さ3.6mの最適設計に比べて、ユーザーが利用する光フラックスは1/3まで低下するデメリットもある。本稿では、既存のアンジュレータを再利用するための改造について述べる。