WEP017  光源加速器  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
あいちSRにおけるRF位相変調法を用いた電子ビーム安定化
Stabilization of electron beam by an rf phase modulation at Aichi SR storage ring
 
○今尾 健太(名古屋大学工学研究科),保坂 将人,高嶋 圭史,持箸 晃,真野 篤志,石田 孝司(名古屋大学シンクロトロン光研究センター),加藤 政博,藤本 將輝(分子科学研究所極端紫外光研究施設)
○Kenta Imao (Nagoya University), Masato Hosaka, Yoshihumi Takashima, Akira Motihashi, Atsushi Mano, Takashi Ishida (Nagoya University Synchrotron radiation Research center), Masahiro Kato, Masaki Fujimoto (National Institute of Natural Sciences UVSOR Facility)
 
あいちSRの光源加速器は、1.2GeVの電子蓄積リングであり、500MHz RF加速空洞が用いられている。現在、あいちSR電子蓄積リングでは縦方向にビーム不安定性が生じており、不安定性は加速空洞の温度などの状態に強く影響を受けることから、加速空洞起因の結合バンチ不安定性であると考えられる。KEK‐PFおよびドルトムント大学のDELTAでは、RF加速電場をシンクロトロン振動周波数の2倍の周波数で位相変調させることにより、電子ビームの安定化に成功している。そこで、我々もあいちSRにおいて位相変調法によるビーム安定化の試験を行った。  本研究では位相変調させた大電力高周波を加速空洞に出力するため、マスターオスシレータとして、位相変調機能が付属したシグナルジェネレーターを用いた。位相変調の振幅および周波数を変更し、電子ビーム安定化の最適条件を調べた。電子蓄積リングに設置されている、ビーム位置検出器用のボタン電極からのビーム信号をスペクトラムアナライザで周波数分析し、ビームの安定性を観測したところ、シンクロトロン振動周波数2倍近傍の周波数で位相変調を設定することで、結合バンチ不安定性が抑制されることを確認した。  本発表では、あいちSRの縦方向ビーム不安定性についての詳細、位相変調における電子ビーム安定化、およびその最適条件、すなわち変調周波数および変調振幅について報告する。