WEP016  光源加速器  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
UVSORにおける高調波空洞を用いたビーム不安定の抑制
Suppression of beam instability with harmonic cavity in UVSOR
 
○長谷川 純(名大院工),持箸 晃,保坂 将人(名大SR),林 憲志,藤本 將輝(UVSOR 分子研),今尾 健太,高橋 和義(名大院工),高嶋 圭史(名大SR),加藤 政博(UVSOR 分子研)
○Jun Hasegawa (Graduate School of Eng. Nagoya Univ.), Akira Mochihashi, Masahito Hosaka (SR Center, Nagoya Univ.), Kenji Hayashi, Masaki Fujimoto (UVSOR IMS), Kenta Imao, Kazuyoshi Takahashi (Graduate School of Eng. Nagoya Univ.), Yoshifumi Takashima (SR Center, Nagoya Univ.), Masahiro Katoh (UVSOR IMS)
 
現在UVSORの電子蓄積リングでは、進行方向結合バンチ不安定性が確認されており、このビーム不安定性を抑制するため、高調波空洞(以下、HCV)が運用されている。HCVによって電子バンチの固有振動(シンクロトロン振動)に非線形が導入され、その結果振動周波数に広がりが生じることによりビーム不安定性が抑制される。しかし、現存のHCVは老朽化によるトラブルが散見されるようになってきているため、本研究では現HCVを新HCVに更新し、UVSORの長期的な安定運転、加えて更なる高品位ビームの実現に貢献することを目標としている。 新しく開発するHCVは、現在UVSORで確認されている結合バンチ不安定性を抑制することが可能な空洞であることが求められるため、新空洞の開発には結合バンチ不安定性の理解が必要である。そこで、HCVの設計に先立ち、我々は結合バンチ不安定性の発生原因の解明を進めている。ビーム不安定性の成長と非線形振動による不安定性の抑制が均衡する条件を見出し、理論的考察によりビーム不安定性の原因を追究する。 本年会では、現HCVの基本パラメータの精密測定結果について報告し、その条件下において発生している結合バンチ不安定性の観測に関する実験概要と、実験データの解析内容について述べ、実験から不安定性の原因を特定する過程とその結果について報告する。