WEP012  光源加速器  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
東北放射光(SLiT-J)計画の進捗状況
Progress of SLiT-J project
 
○濱 広幸(東北大学電子光理学研究センター)
○Hiroyuki Hama (ELPH, Tohoku University)
 
東北放射光計画(SLiT-J; Synchrotron Light in Tohoku, Japan)は放射光科学の研究開発成果を先端計測基盤とすることでイノベーションを産み出すオープンプラットフォームを目指した3GeV高輝度光源計画である。SLiT-J蓄積リングは建設経費や運転経費を抑えながらも安定に使えるワールドクラスの低エミッタンスリングを目標とした詳細設計中である。周長は354mとフランスの第三世代光源SOLEILとほぼ同じであるが、水平エミッタンスは約1/3の0.92nmradであり、数keV付近の輝度は10E21に達すると見込んでいる。ユニットセルは4つの偏向磁石からなるDDBA(Double-Double Bends Achromat)であり、セル間の挿入光源用長直線部の長さは5.4m、セル中央の短直線部は1.8mであり高エネルギー連続放射光源として多極ウィグラーを挿入する予定である。高周波加速空洞はSPring-8で開発しているTM020空洞を用いることでRFステーションを一カ所の直線部のみにしている。全長約120mのフルエネルギーCバンド入射器を用いることとし、消費電力を抑えるだけでなく将来は軟X線FELを実現したいと考えている。光源性能と加速器システムの概要に加え、産業利用のために設立した一般財団法人「光科学イノベーションセンター」について報告する。